別々の家族と共に過ごした二人が一緒になる
それが結婚
その時をきっかけに俺の家庭に対する考え方や
家族に対する接し方の考えが大きく変わった
俺と嫁の家庭環境の違い
俺が育ってきた家庭環境は親が自営業をやっていたのもあって普段家族で顔を会わせることが少なかった。
夕飯も1人で食べることが多く、家族で食卓を囲むのは週末のみ
親と会話するときもどこかよそよそしい部分があっていい辛いことはできるだけ触れないようにしてきた。
それは親も同じで俺に対して言いづらい事はあまり言わなかった。
もちろん楽だったしそれが普通なんだと思ってた。
でもどこかでなんか寂しいなって気持ちがあった
少なくともなんでも言える相手は親ではなかった
親友だったり彼女だったりそういった自分とは少し違う生活をしてきた人にだけは言いたいことを言ったり相談したりできた
一方嫁は食事は毎日家族と一緒にとっていて
言いたいことがあったらお互いに相手にきちんと伝える
そんな家庭で育っていた
時には今では笑い話になるようなエピソードも
門限の時間を大幅に遅れて帰宅した嫁が玄関のドアを開けるとそこに立ってたのは水の入ったバケツを持った父親の姿が
そして嫁の顔が見えた瞬間
その水を嫁に向かってバシャーっとかけてきたという
確か高校生の頃の話だったと言っていた
信じられなかった
マンガかよ…って
しかもバケツ持って何時間待ってたんだっていう…
でもなんだか羨ましかった
別に水かけられたいとかそういう趣味があるわけじゃなく
そこまで本気でぶつかって相手の事を心配して
家族と本気で話をできる環境が羨ましかった
初めて嫁の家族と会った時もそれは感じられた
話したい事を普通に話して問題があれば自分1人じゃなくて家族みんなで意見を出して納得行くまで話をして
それって普通のことなのかもしれないけど俺には新鮮だった。
目の前でドラマでも見てるような感覚になった
嫁と一緒に生活をしていくうちに自分が変わっていた
そんな嫁と結婚した俺は最初はなかなかお互いに家庭環境の違いでお互い上手くいかないことも多々あった
それが月日が経つにつれいつの間にか
1日の出来事や思っている事 これからの事
言いたい事をしっかりと話ができる環境になっていた。
俺が昔から心のどこかで求めていた家庭に知らないうちになっていた
家族ってやっぱりお互いの事を分かり合って話し合ってよくなっていくものだと思う
その為にはまず相手に伝える事
それがごく自然にできるって家族の理想なんじゃないかって
そして結婚してから数年でいつの間にか俺は自分の親に対しても思っている事や伝えたい事をはっきりと話をするようになっていた
最初は親もビックリしていた
そして喧嘩もたくさんした
子供の頃の家庭環境を理解しながらも少し寂しかったって事も自分の言葉で伝えた
それが正しいのかどうかなんてわからない
ただ俺はこうやって今 親に伝えられなかった事を伝えられるようになった
確実に嫁から影響された結果だ
そして嫁は俺以上に俺の親との距離が近い気がする
相手の親なのに関わらず俺以上に深い話をしている
薄々感じてるのは親は俺以上に俺の嫁の事を頼りにしている
自分達も子供達も気まずい事は言わずに曖昧にして避けてきた
だから後々になってめんどくさい事になる事も多々あった
俺の嫁はそれを見て寂しいって感覚を持っていて、気まずい事があったらすぐに話をして提案してきた
実の子供である俺以上に
それは嫁を育てた親との家庭で培ってきた感覚以外の何物でもなかった
言いたい事はきちんと言う
言わなければ後で話をしなかった事が引き金になりめんどくさい事になる
それは俺の方が嫁よりも昔から体験してたので分かっていたつもりだった
そう
分かっていたつもりだっただけで行動したわけじゃなかった
嫁はそれを行動に移していた
思った事をきちんと話すという感覚が当たり前のように根付いていたから自分の親だけじゃなく俺の親に対してもできたんだろう
嫁という存在にあえて今の自分がいる
相手ときちんと話す大切さ
それを俺は幸いにも生涯のパートナーになった嫁から教わる事ができた
自分の親の反応を目の前に見ながら
話すということの大切さを身に染みて体験する事ができた
俺にとっても親にとっても嫁と出会えた事は家族というものの大切さや在り方をしっかりと学べた
俺にとっての結婚は親にとっても俺にとっても前向きに話し合えるようになるきっかけになった
自分と価値観の違う人と一緒になるというのは当然ぶつかる事もあるしすれ違う事もある
それをお互いにできる限り近付いていくのが結婚して夫婦で助け合って生きてく事なんだと思う
嫁と出会ったことで俺の価値観が変わった
家族と話をする大切さを教わった
人生のパートナーは俺にとって とても大切で偉大な人だった
今度は俺が家族を動かしていけるようになろう